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畳の歴史
畳は「たたむ」ことを意味し、折り返し重なる意味でもあって、たためるもの、重ねられるものから、
敷物のすべてを意味したものでもあり、これが畳の起こりである。
畳の歴史は古く、今から1300年ほど前に書かれた「古事記」という本にも「畳」の文字が登場します。
始めは植物であんだ、ゴザのような敷物でした。平安時代になると、貴族の住宅である寝殿造が完成します。
畳も厚みのある形になり、板の間の部屋の中で必要な所に置かれます。
イグサもわらも今よりもずっと貴重なものでしたから、畳に座ったのは、広い領地を持っている貴族たちでした。
平安時代の畳には、いろんな大きさがあって、身分の高い人ほど畳も広い、厚さも厚く、そのうえ畳を重ねるなどしていました。
また、畳縁の色や文様を変えるなどして、座る人の地位や身分を規制していました。
やがて、鎌倉時代から室町時代にかけて書院造が完成します。
14・15世紀の室町時代になると、今のように床全体に畳を敷き詰めた部屋もで出てきましたが、身分の高い人の家だけで使われていました。
桃山時代から江戸時代へと移るに従い、書院造は茶道の発達によって軽快な書院造、それは本格的な書院造の格式張ったものでなく、
茶室の意匠や手法を取り入れた数寄屋風書院造となりました。
それらの書院に用いられる畳は小紋高麗縁であり、中紋高麗縁であり、また萌黄絹縁の畳が敷き詰められました。町人の家でも使われるようになったのは、
江戸時代の後半からで、農村部まで広がったのは、明治時代になってからでした。
畳の効能と性能
畳は日本の気候や風土に最も適した優しい床材です。
湿(湿度調節機能)
畳表は「呼吸」しています。畳表の原料であるいぐさの中はスポンジ状になっており、水分を自然に吸湿する能力があります。また、空気が乾燥すると反対に放湿する調湿機能を、果たし、私たちの暮らしを快適にしてくれます。
浄(空気の浄化作用)
いぐさのスポンジ状の部分は二酸化窒素や人体にあまりよくない、ガスもしっかりと吸いとってくれる作用があります。畳の部屋にいるだけで、すがすがしい気分になれるのはそのおかげです。
音(吸音効果)
空気をたくさん含んでいる畳はクッション性があり、音や振動を吸収する働きがあります。畳の部屋はフローリングの部屋に比べて音の大きさは約半分になります。だから安心して子育てのできる部屋になります。
学(学習機能・集中力持続性)
ほどよくリラックスさせてくれる畳には、学習機能及び集中力持続性を向上させる機能を持っていることがわかっています。さりげなく畳を使用して勉強の効果をあげる工夫をしてもいいかもしれません。
香(色・香り)
畳は視覚・嗅覚に対しても親しみやすい材料です。畳の黄色がかった色は暖かいイメージでなんだかのんびりくつろいだ気分になります。疲れた身体に優しい素材なのです。
保(保温性・断熱性)
たくさんの空気を含んでいる畳には夏は暑さを遮断してひんやり、冬には冷たい空気をさえぎるので暖かい断熱性の効果があります。また、畳の部屋の中の夏のひんやりとした空気、あるいは、冬の暖かい空気をそのまま保つ働き、保温性もあります。
畳のお手入れ方法
換気をする
2~3日晴天が続いた時は、窓を開け室内に風を入れてください。
風通しの悪い部屋の場合には 、エアコンや扇風機などで強制的に換気を行いましょう。カビやダニの防止になり、畳も長持ちします
畳に濡れ雑巾は禁物
畳は湿気を嫌います。どうしても濡れ雑巾を使う場合は、お湯を使い雑巾はきつく絞ってから拭いてください。
濡れ雑巾で拭くと、畳の光沢がなくなります。掃除機をかけ、乾いた雑巾で乾拭きをしてください。
直射日光はさける
直射日光は畳表の変色を招き、乾燥しがちで、傷みを早めますから出来るだけ避けてください。
日差しがきついようなら、日中には薄いカーテンなどで日差しを防ぐようにしましょう。
じゅうたんは禁物
畳の上にじゅうたんや敷物などを敷いてしまうと、たたみの呼吸を妨げ、カビ・ダニなどが発生する原因となります。
電気掃除機を使う時
電気掃除機は畳の表を傷めやすいので、畳の目に沿ってゆっくり軽くかけてください。
梅雨の季節
湿度の高い時は窓を開けず、エアコンで室内の除湿をしてください。
畳をほす
出来れば年1~2回天日干しをおすすめします。
畳を少し持ち上げて缶などで支え、畳の下に空気が入るようにするだけでも効果があります。