畳の歴史
2015-01-16
畳は「たたむ」ことを意味し、折り返し重なる意味でもあって、たためるもの、重ねられるものから、
敷物のすべてを意味したものでもあり、これが畳の起こりである。
畳の歴史は古く、今から1300年ほど前に書かれた「古事記」という本にも「畳」の文字が登場します。
始めは植物であんだ、ゴザのような敷物でした。平安時代になると、貴族の住宅である寝殿造が完成します。
畳も厚みのある形になり、板の間の部屋の中で必要な所に置かれます。
イグサもわらも今よりもずっと貴重なものでしたから、畳に座ったのは、広い領地を持っている貴族たちでした。
平安時代の畳には、いろんな大きさがあって、身分の高い人ほど畳も広い、厚さも厚く、そのうえ畳を重ねるなどしていました。
また、畳縁の色や文様を変えるなどして、座る人の地位や身分を規制していました。
やがて、鎌倉時代から室町時代にかけて書院造が完成します。
14・15世紀の室町時代になると、今のように床全体に畳を敷き詰めた部屋もで出てきましたが、身分の高い人の家だけで使われていました。
桃山時代から江戸時代へと移るに従い、書院造は茶道の発達によって軽快な書院造、それは本格的な書院造の格式張ったものでなく、
茶室の意匠や手法を取り入れた数寄屋風書院造となりました。
それらの書院に用いられる畳は小紋高麗縁であり、中紋高麗縁であり、また萌黄絹縁の畳が敷き詰められました。町人の家でも使われるようになったのは、
江戸時代の後半からで、農村部まで広がったのは、明治時代になってからでした。
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